大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)585 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鍛治利一同今福朝次郎の上告理由第三点及び第四点について。

原判決及びその引用する第一審判決の認定によれば、訴外Dは簡易な家屋を建築

してビンゴゲーム遊戯場を経営しようと思い、被上告人所有の土地の借地方を申し

出たけれども被上告人は容易にこれを承諾しなかつたが、Dは強いて承諾方を懇請

した結果、右両者間に第一審判決判示のような被上告人のため一方的に有利と思わ

れる契約が成立し、被上告人の所有地に本件家屋が建築されその家屋は建築の当初

から被上告人の所有に帰属し、Dは右家屋で遊戯場を開設して営業を続けて来たこ

と、Dは遊戯場の経営により多額の収益を挙げ家屋建築費位は数ケ月で回収しなお

相当の利益を収め得るものと予想したのに、営業成績は予想どおりに行かなかつた

ことが窺われる。右のような事情の下においてDがことさら自己に不利と思われる

条項に甘んじて甲第一号証の契約をしたとしても、借地法はこのような当事者間の

任意の合意までも無効とするものとは解されず、また右の契約が公序良俗に反する

ものとも断定し難いので、右と同趣旨の見解の下に上告人の主張を排斥した原審の

判断は正当であつて、論旨は採用することができない。

その他の論旨(第一、二点)は、本件家屋は当初から被上告人の所有として建築

されたものであつて、被上告人は伝来的にその所有権を取得したのではなく、Dは

右家屋の処分権を有しなかつたとした原審の認定(右認定に採証法則の違反は認め

られない)と相反する事実を前提とする主張であり、「最高裁判所における民事上

告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至

三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を

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含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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